プロポリス職人は若いミツバチ

プロポリスの種類によっては、科学的に癌の治療に効果が期待されるほど、強力な抗菌作用を発揮しています。
そんなプロポリスですが、何処でどのようにして製造されているのでしょうか?
今回は、プロポリスが何処でどのように製造されているのか、皆さんにご紹介させて頂きます。

天然の抗生物質

花の蜜を集めるイメージが強い蜜蜂ですが、花の蜜ではなく樹液を集め、口の中で唾液と混ぜあわせて作られるのがプロポリスです。
蜜蜂が生息する国・地域によりますが、ポプラ、ユーカリ、柳、松、白樺などの樹液が原材料として利用されています。
巣に持ち帰られた樹液は、蜂の口の中で粘土がある程度の粘土になるまで咀嚼されて作られ、巣の入り口や隙間に塗りつけられます。
塗りつけられたプロポリスは、抗菌作用・抗ウィルス作用に優れ、巣の中に侵入しようとする最近を撃退する力を発揮してくれます。

その効果に気がついた先人たちは、プロポリスを「天然の抗生物質」と呼び珍重してきました。
現代では、そのプロポリスの効果が少しずつ解明されており、人間の免疫力を活性化させる働きがあると考えられています。

プロポリスを作れるのは特定のハチだけ

すでに上記でご紹介させていただいた「プロポリスが作られる過程」ですが、もっと詳しく紹介していきましょう。
蜜蜂は、花の蜜や花粉を集めるイメージが強い蜜蜂ですが、世界には植物(樹木)の樹皮や新芽から樹液を採取する珍しい蜜蜂が存在します。
世界中の蜜蜂の約1%ほどしかいない蜜蜂。
それが「セイヨウミツバチ」です。

セイヨウミツバチは、樹液を採取するとき、自分の唾液と混ぜて、他の働き蜂が花粉団子をくっつける足のくぼみに塗りつけて巣に持ち帰ります。
そして、巣に持ち帰ったその樹液を、せっせと足からそぎ落とし、すぐに樹液を採取するために再出発します。
そうやって、何度も何度も樹皮や新芽と巣を往復し、貴重なプロポリスの材料を運び込みます。

採取した樹液を口に含み、時間をかけて咀嚼し、プロポリスを製造するのは若い蜜蜂の役目です。
それは若い蜜蜂のみが持っているという「パチロン」というホルモン物質が必要になるからといわれています。
樹液にパチロンを混ぜ込み、そこに建築素材の一部として利用されている蜜蝋を混ぜ込みます。
蜜蝋が使われていることに驚きますが、蜜蝋も蜂の口の中から分泌されています。
そこからさらに花粉も混ぜられ、プロポリスとして完成するのです。
驚くべきポイントですが、プロポリス製造の全ては、蜜蜂の口の中で行われています。

人類には作り出せないプロポリス

セイヨウミツバチの若いメスの働き蜂だけが作ることのできるプロポリス。
しかし、ここまで成分や製造方法がわかっているならば、人類の技術でプロポリスを作り出せるような気がしますよね。
しかし、残念ながら、現在の人類の技術力では蜜蜂の口の中を再現することはできないのです。
確かに、小さな蜜蜂の口の中で何が行われているのか正確に把握するには、とても緻密な作業の内容を具体的にしなければならず、容易なことではなさそうです。

しかし、技術の進歩は日々進んでいます。
今後、技術革新により、人類の手でプロポリスが製造できる日が来る可能性は否定できません。
今よりも多くの人がプロポリスの恩恵を受けられる、そんな未来が来るかもしれませんね。